スマホの防水性能を示す「IP規格」
「防水対応と書いてあるから水に濡れても大丈夫」「iPhoneは防水だからお風呂でも使える」──このように考えている人は少なくありません。しかし、スマホの防水性能は“万能”ではなく、正しく理解していないと故障の原因になります。本記事では、スマホの防水規格であるIP規格の意味を整理し、どこまで信じてよいのか、iPhoneを例にしながら注意点を詳しく解説します。
スマホの防水性能を判断する基準として使われているのが「IP規格(IPコード)」です。IP規格は国際電気標準会議(IEC)が定めた国際規格で、スマホがどの程度ホコリや水の侵入に耐えられるかを数値で示しています。
IP規格の見方と数値の意味
IP規格は「IP〇〇」という形式で表記され、最初の数字が防塵性能、次の数字が防水性能を示します。 防塵性能は0〜6までの等級があり、数字が大きいほど細かな粉塵が内部に侵入しにくいことを意味します。 一方、防水性能は0〜8(場合によっては9)までの等級があり、数値が高いほど水に対する耐性が高くなります。 例えば「IP68」の場合、「6」は粉塵が内部に侵入しない最高レベルの防塵性能、「8」は一定条件下で水中に沈めても影響を受けにくい防水性能を意味します。近年のiPhone(iPhone 12以降など)は、このIP68に対応しており、日常生活での多少の水濡れには耐えられる設計になっています。
IP規格で注意すべきポイント
ただし、IP規格はあくまで試験環境下での性能を示すものであり、すべての使用状況での防水性を保証するものではありません。試験は、真水・常温・静止状態といった限定的な条件で行われており、海水や石鹸水、高水圧の水流などは想定されていません。 そのため、お風呂やプール、シャワー中の使用などは、防水対応機種であってもリスクがあります。 また、防水性能は経年劣化によって低下することがあります。落下や衝撃によって内部のシール部分が劣化すると、購入当初と同じ性能を保てなくなるケースもあります。 「防水だから大丈夫」と過信せず、IP規格の正しい意味を理解したうえで使用することが、水濡れトラブルを防ぐ重要なポイントです。